LED照明と蛍光灯の利点

LEDとは

LED(Light Emitting Diode)は「発光ダイオード」と呼ばれる半導体素子です。従来の白熱灯や蛍光灯とは異なり、半導体結晶の中で電気エネルギーが直接光に変化する仕組みを利用した光源となっています。

1879年には白熱灯が、1938年には蛍光灯が、そして1993年には青色LEDが開発されました。近年、改良が進み蛍光灯、水銀灯、ハロゲン灯を上回る発光効率を持つ白色LEDが登場。照明用途の他にも車載、通信、植物育成、医療などさまざまな分野で使用されています。

LED lighting

蛍光灯とは

蛍光灯は、ランプ内の放電で発生する紫外線を蛍光物質に当て、可視光線として取り出せるランプのことです。電流を流すことで放出された電子と、蛍光灯内部の水銀が接触すると紫外線が発生し、この紫外線が蛍光物質と反応して可視光線として光を生み出します。

蛍光灯の内部に塗布される蛍光物質の種類によって電球色や温白色、昼白色、昼光色など、数多くの色温度を作り出せるため、家庭用、業務用などで幅広く使われています。

リビングなどに使う団らんの明かりの場合は電球色の蛍光灯を選定したり、書斎や勉強室では昼白色を選定したりと、生活スタイルや用途に合わせて選ぶことができます。

fluorescent lamp

LEDの特長・利点・寿命

LEDの特長と用途

LEDの最大の特長は省エネ、超寿命ですが、他にも熱線や紫外線が少ないので衣服、食品、絵画展事物などへの変色やダメージを与えたくない照明に用いられています。高輝度で調光が可能、光の表現性や機能性において、新しい光源として急速に普及しています。

LEDの利点

1.光源が長寿命
2.視認性が良く室内外を問わず利用できる
3.消費電力が少ないため省エネや環境への配慮にも有効
4.紫外線・赤外線の放出が極めて微量(図書や絵画等の保存箇所等に有効)
5.調光が可能
6.直流電流を使用するため「チラつき」がないので目に優しい
7.点灯消灯を繰り返しても寿命には影響がない
8.極寒地でも点灯できる。(ただし結露には弱い)
9.点灯中の発熱が極めて少ない
10.器具の小型化が容易で照明器具として自由な設計が可能

LEDの寿命

LEDの寿命は4~6万時間と長寿命であるため、高所、狭所の電気を取り替えにくいところなどの設置にぴったりです。(寿命=LEDモジュールの寿命)

「JIL5006:白色LED照明器具性能要求事項」(社)日本照明器具工業会資料
一般照明用途に用いられる白色LEDモジュールの寿命の定義は”照明器具製造業者が規定する条件で点灯した時、LEDモジュールが点灯しなくなるまでの総点灯時間または、全光束が点灯初期に計測した値の70%に下がるまでの総点灯時間のいずれか短い時間を推定したもの”
当社では、上記に従い寿命を推定しています。(あくまで設計寿命であり、この寿命を保証するものではありません。)」

蛍光灯の特長・利点・寿命

蛍光灯の特長

蛍光灯は、ランプ内の放電によって発生する紫外線を、蛍光物質に当てることで可視光線を発生させる光源です。内部に塗布された蛍光物質の種類によって、電球職、温白色、昼白色、昼光色など、さまざまな色温度を作ることが出来ます。

この使い勝手のよさが認められ、1954年頃に国内初のラピッドスタート蛍光灯が開発されて以来、ご家庭用、業務用と幅広く使われるようになりました。

蛍光灯の利点

蛍光灯の利点は、なんといっても購入価格がリーズナブルな点にあります。例えば長期間に渡って使用することを想定しないケースでは、LEDよりも蛍光灯のほうがコストを抑えられる場合もあるでしょう。

そのほかにも蛍光灯は、広い範囲を明るく照らすのに向いています。そのためペンダントライト、フロアライト、ディスプレイ空間のアクセント照明など、さまざまな用途で使うことが出来ます。

また蛍光灯には、LEDに比べて軽いという特長があります。そのため、不安定な場所に照明を取り付ける再は、蛍光灯のほうが比較的安全です。

蛍光灯の寿命

蛍光灯の寿命は一般的には6,000時間~12,000時間と言われています。一日6時間点灯の場合1,000日~2,000日となり、LEDにはかないませんが白熱電球(寿命は1,000時間~3,000時間)に比べるとかなり長寿だと言えます。ただし点灯始動時にもっとも負荷がかかる仕様になっており、グロースタータを利用した点灯管方式の場合一回の点灯につき1時間寿命が縮みます。このため頻繁に点灯・消灯を繰り返すトイレや浴室といった場所には向きません。

LED化のメリット

benefits-of-ledization

1.消費電力の大幅削減。効率がいい製品で60%~70%程度まで削減が可能

2.長寿命であるため、長期にわたりランプ交換作業が必要なく廃棄も不要

3.即時点灯とスイッチ回数による寿命劣化が無い

4.色あせなどを防ぎ、虫を寄せ付けない

5.水銀を使用していないので環境にやさしい

6.温度が低い場所で一定の照度を確保することができる

間接的なメリット

LEDを導入することによって空調の消費電力を削減できます。

なぜLED化することで空調の省エネにつながるのか?
それは蛍光灯が高熱を放つためです。蛍光灯が点灯している時に手で触るとやけどするほど発熱しています。この発熱は周囲の温度を高め、冷房の機器を悪くする原因の一つでした。
それに対してLEDはほとんど発熱はありません。そのため、蛍光灯熱源による空調の妨げがなくなりますのでLEDを導入することで空調機器の消費電力を削減できます。照明器具の多いスーパーなどでは、空調機器の消費電力を20%も削減できた例があります。これはLED照明化することによる間接的な省エネ効果です。